2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧
キューバ出身の新鋭作家カルラ・スアレスの『ハバナ零年』。この洒脱な小説を読んでキューバをもっと知りたいと思ったら、越川芳明の『あっけらかんの国 キューバ』(猿江商會)がいい。著者は明治大学副学長の現代アメリカ文学者で、スティーヴ・エリクソン…
初読のオレ:ようやく『伊勢物語』がどういう話なのかわかった。再読のオレ:これまで受験勉強的にというか、断片的にしか知らなかったもんな。初読:和歌に短い状況説明がついてる「歌物語」形式で、平安期の有名歌人・在原業平が出てきてってくらいしか。1…
以前から作品を読んできた内澤旬子さんのことが気になってしかたない。それというのも最新作を読んでしまったからだ。 2007年の出世作『世界屠畜紀行』は、世界中の屠畜の現場を訪れてまとめた、自作イラスト入りの詳細なルポルタージュだった。モンゴル…
〈私は小説家じゃない。これは小説じゃない。記録だ〉という語り手の独白から、この「小説」は始まる。なぜ、こうした枠組みが必要なのか? この小説世界が現実世界そのままを下敷きにした世界観のもとにはないということを、逆説的に宣言するためだ。 語り…
1980年旧東ドイツ生まれの作家・ブックデザイナー、ユーディット・シャランスキーによる2018年刊行の本作は、ドイツを始め各国で数々の文学賞に輝いた。 今はもう存在しない物について、統一した構成の12篇が並ぶ。まずテーマについて調べこまれた…
旅行に行くのはお金がかかるし面倒、でも家でじっとしているのもつまらないという人におススメしたい夏休みのお出かけスポットが、芸能事務所や制作会社主催のお笑いライブだ。新宿・渋谷・下北沢を中心とした劇場・ライブハウスで毎日のように行われていて…